コラム

目次

  1. Google for Jobs誕生の背景
  2. Google for Jobsとは
  3. Google for Jobsによって変わる職探しの体験
  4. Google for Jobsがもたらす求職者・掲載企業へのメリット
  5. Google for Jobs登場による効率的な職探し
  6. まとめ

Google for Jobsが登場することで採用業界にインパクトがある、ということはたくさんの記事で紹介されておりますが、この記事ではGoogle for Jobsの内容そのものより、それが誕生した背景やGoogleが求人業界に参入することで成したかったこと、求職者や掲載企業へのインパクトについて解説したいと思います。

Google for Jobs誕生の背景

アメリカでは日本より少し早い1990年代にMonsterやCareerBuilderが創業し、2000年代初頭にはインターネットで職探しをすることが一般的になっていました。Indeed社は2004年に設立され、インターネット上の求人票を検索できるサービスとして現在まで独占的な地位を築いています。高度な機械学習を用いた検索技術を使い、職探しについてはGoogleサーチを凌ぐとも言われていましたが、2017年5月にGoogleが求人検索への本格的な進出を発表しました。そこで公開したのがGoogle for Jobsという職探しに特化した検索サービスです。(日経新聞の報道によると日本への公開は2019年1月とされています。)


リクルートワークス研究所 米国の人材ビジネス ジョブボード編

CareerBuilder社の調査によると、70%がGoogleサーチから職探しを始めると言われています。求人メディアを運営する企業は多額の予算をSEOにつぎ込み、検索上位を争っています。その中でIndeedは戦略的なSEO対策で検索上位を獲得しています。先の表に挙げている通り求人メディアは乱立している状態で、求人票の掲載先は掲載する企業によってまちまちで同じ求人票が多数の求人サイトに掲載されており、  求人情報は分散しています。(情報の分散化)また、企業が自社の採用サイトで社風や会社の情報を詳細に記載した求人票を掲載していたとしても、SEO的に優れている求人メディアに求人票掲載している場合はそちらの方が検索結果では上位に表示されてしまいます。(情報の不均質化)求人メディアは自社サイトで応募して欲しいため、掲載企業の採用サイトのリンクは掲載していません。


Google for Jobs未公開地域の状況

上の画像のような状況であるため、採用サイトに掲載している情報は応募者には伝わりにくくなっています。

Google for Jobsとは

Googleはこの状況に目をつけ、職探しにおける情報の分散化と不均質化を解決し、インターネット上の求人情報を整理するためにGoogle for Jobsを開発しました。
Google for Jobsは以下の画像のようにGoogleで職探しに関連するワードを検索すると、検索結果にリッチリザルトとしてGoogle for Jobsでの検索結果が表示されます。


このように検索上位に固定した表示になり、オーガニックの検索結果はGoogle for Jobsの下に表示されるようになっています。IndeedはSEOでのオーガニック流入が全体のユーザーの半分に近い割合を占めていますが、従来の検索結果の上に表示されるGoogle for Jobsによって、オーガニックな検索結果からの集客は激減するでしょう。Google for JobsがIndeedキラーと称されるのはそのためです。

Google for Jobsによって変わる職探しの体験

Google for Jobsは従来のGoogleサーチとは異なるシステムであるため、GoogleサーチのSEO対策とは別の対策が必要です。またGoogle for Jobsに求人票を表示するためにはGoogleが明確に定めたルールに従う必要があります。例えば、ユーザーの目を惹くために職のタイトルを『マーケティングスペシャリスト』ではなく『高待遇!IT職募集中』として目立とうとした場合、これはルール違反なのでGoogle for Jobsの検索対象外として扱われることが考えられます。Google for Jobsの登場により、あらゆる求人メディアやキャリアサイトが新しい土俵で同じ基準とルールの元で再評価されることになります。こうしてGoogleはプラットフォーマーとしての力を発揮し、求人情報の均質化を実現していくと考えます。


Google for Jobsの検索対象は求人票だけで、求人メディア全体ではありません。Googleはマークアップされた求人票をインターネット上から集め、同じ求人票であるとアルゴリズムが認識した場合は一つの求人票としてまとめあげられるようになります。Google for Jobsが登場することにより複数のメディアに掲載する価値は無くなるため、独自の得意先を持たない求人メディアにとっては問題です。Google for JobsがJob board slyerと呼ばれるのはそのためかもしれません。
Google for Jobsでは求人票を取得した求人メディアへのリンクだけでなく、求人票を掲載している企業サイトへのリンクも掲載されています。


以下はGoogle for Jobsのページです。Google for Jobsは検索サービスであり、求人メディアではありません。求人票を様々なプラットフォームを横断して検索できるのでこのページを離れることなく求人票を探すことができます。Google for JobsにはCloud Job Discoveryという求人検索専用の検索エンジンが使われており、求職者の検索意図を汲んだ精度の高い検索ができるようになっています。


Google for Jobsがもたらす求職者・掲載企業へのメリット

  • 求人票は専用のJob Search UIに整形され会社のロゴ、レビュー、評価、そして詳細が綺麗にまとまって表示される。従来のGoogle検索ではありませんでした。
  • 求める像とマッチした求職者が増える。Google for Jobsには場所や職種など様々な条件で職をフィルターできる機能が備わっているため、自分にピッタリの職だと考える応募者が増える。
  • Google for Jobsには雇用主の情報が載ったサイトがまとまっているため、求職者に伝えたい情報を伝えるチャンスが増える(自社キャリアサイトやGlassdoorなどのレビューサイトを網羅的に見てくれる)。

Google for Jobs登場による効率的な職探し

Google for Jobsの登場によって求職者の行動も大きく変わることが予想されます。


上の通り、スタートはGoogle検索で同じですが求人メディアをいくつも訪問しなくても同じ求人票にたどり着けること、Google for Jobs内で得られる情報が求人情報以外のものがあるため、それらを探すために別の検索をしなくてもよいことになります。

まとめ

このようにGoogle for Jobsは検索行動を変えてしまうことになり、より多くの求職者が口コミ会社サイトやキャリアサイトを見ることが増えるでしょう。企業は口コミや会社ブランディングにより予算を割くことになり、求人メディアへの掲載予算は減ることも考えられます。採用サイトの重要性は今までより増していくことになるでしょう。

今後もこのようなGoogle for Jobs関連情報をどんどん発信していきます。Google for Jobs掲載対応のためのコンサルティングも行なっております。興味がありましたら、こちらからお問い合わせくださいませ。

参考サイト

リクルートワークス研究所 米国の人材ビジネス ジョブボード編
http://www.works-i.com/pdf/wu_us2018_01.pdf

How Google Begins and Ends the War for Talent
https://www.ere.net/how-google-begins-and-ends-the-war-for-talent/