Webmaster Conference Sapporo参加報告
Webmaster Conferenceとは
2016 年から年に数回開催されているイベントで、Google の検索チームと、ウェブマスターやサイト運営に関わる人を結ぶことを目的としたGoogle 検索のイベントです。今年は沖縄、福岡で開催されており、今回は札幌での開催でした。私はライトニングトークのスピーカーとして参加させていただきました。(ライトニングトークの内容については後述しています。)
Googleのスピーカーは以下の通りで、Google検索にいての一般的な知識、画像検索、サイト所有者向けの検索インサイト、検索における都市伝説についての話がありました。
Takeaki Kanaya(金谷武明)
Anna Ogawa(小川安奈)
Gary Illyes
Malik Mairaj Syed
Mariya Moeva
Google検索入門
Google検索のポイント3つ
- ユーザーのために良いコンテンツを作りましょう
- Googleに伝えましょう(Search Console等で)
- モバイルに取り組みましょう
Googleの定義する完璧な検索エンジンとは「完璧な検索エンジンとはユーザーの意図を正確に把握しユーザーのニーズにぴったり一致するものを返すエンジンである」で、そのエンジンが適切な結果を返すことができるようにコンテンツが誰にでもアクセスできること、検索しやすいことが重要とのことなので、上記の3つは必ず押さえておくことはマスト。
その検索結果に現れるまでの仕組みは、クロール→インデックス→検索結果の配信。
クローラーは130兆ものページをスケジュールを決めてクローリングしており、その頻度はページの性質や更新頻度によって制御されている。また、クローリングされたくないものはrobot.txtで制御することも可能。
インデックスサーバーは非常に大きいもので高性能だが、限界があるため重複コンテンツや低品質なページは省こうとする。ちゃんとインデックスさせるには良質のコンテンツを登録することが重要。
検索結果の配信時はデバイスごとにランキングや出し方を変えている。前述の通り、インデックスサーバーには限界があるため、質の低いコンテンツは優先度が下がるためコンテンツは常に良いものを登録することが重要。(このあたりはGoogleしごと検索でも同じになれば良いなと思いますが、現状はそうなっていないと感じています)
Google画像検索(Gary Illyes氏)
以下は私が理解し、重要だろうなと思ったポイントをまとめております。
Google検索の配信結果表示までには前述の通りクロール→インデックス→配信」がある。それは画像検索でも同様の仕組みになっている。
画像をインデックスさせるには、ソースコードが必要で、画像単体でインデックスさせることはできないためHTMLソースの中に画像が含まれていなければならない。(ここはGoogleしごと検索のロゴ表示のさせ方と同じだと思いました)また、Googleのクローラーは画像の認識もするがそれだけでは完全ではないため、ファイル名をわかりやすいものにする、またはaltタグなどを使って画像の説明を付加しておくことも重要。そして、商品のバッチを付けたいのであれば構造化マークアップもしておくとよい。
サイト所有者向けの検索インサイト(Mariya Moeva氏)
Moeva氏は小規模サイトの運営者であっても、自分の所有するサイトがオーガニックにどんなふうに表示されているか分析するべきだとし、そのためのツールを紹介しておりました。
CMSで有名なものはWix、WordPress、AmebaBlog、Squarespace。Moave氏はWordPressにはSite KitというGoogleアナリティクスやSearch ConsoleのAPIを組み込めるツールを紹介しており、実演もしておられました。
SEOにおける都市伝説クイズ(Syled Malik Mairaj氏)
個人的にこのコーナーが最も面白かったです。SEOにまつわる都市伝説が本当かどうか、Googleの見解も示して解説してくれるコーナーでした。
meta descriptionはランキングにより良い結果をもたらす?
これは真実と言い切れる。
クローラーがサイトを理解する上で適切なdescriptionを入れることは重要。しかし、titleやdiscriptionが素晴らしくても肝心の内容が伴っていなければ意味はないので、やはりコンテンツそのもののほうが重要。
ドメイン年齢が古ければ古いほどランキングが上がる?
これはNO。
古いサイトであればあるほど、古い記事やコンテンツが残っている可能性もあるのでドメインの年齢がランキングの上位表示にポジティブな影響を与えることはない。
昔からあるドメイン(.comとか)のほうが、新しいドメイン(.xyzとか)よりランキングが高くなると思う?
コンテンツが重要なので、ドメインがどうかは関係ない。
長いドメイン名は評価されやすい?
NO。長かろうが短かろうが関係ない。
構造化データはランキングに影響を与える?
影響なし。検索結果の表示に影響は与えるが、ランキングには関係ない。
ライトニングトーク
ライトニングトークはどれも本当に面白いものばかりで、一瞬で過ぎ去っていきました。以下、当日のテーマと登壇者の一覧です。(敬称略)
・ツイッター廃人(フォロワー6.4万人)による、ツイッター運用のコツ講座 – 千代田まどか(ちょまど)
・あなたは全問正解できるか?難易度”高” Webmaster Quiz 〜 全員参加型 インタラクティブ セッション 〜 – Kenichi Suzuki (@suzukik)
・入社半年の新人SEOコンサルが勧めるSEO筋の鍛え方 – 青木創平(ナイル株式会社)
・制作現場で起こる事件の防ぎ方 ~良質コンテンツ作りのためのポカヨケ~ – 吉川 枝里
・検索エンジン経由で読者を奪う、漫画ネタバレサイトの実態 – 松本郷平
・『日本の求人サイトにおいてGoogleしごと検索でのペナルティが多発するワケ 〜日本のオンライン求人市場の”常識”と大きく異なっていた求人情報構造化データ〜』 – Yoshio FUJIWARA
・人の評価とGoogleの評価 – 株式会社サイバーエージェント 木村 賢
・札幌でのSEO – 辻正浩
個人的に面白かったのは、トップバッターのちょまどさんのものと、松本氏の漫画ネタバレサイトの実態でした。
私はGoogleしごと検索で日本の求人サイトがなぜペナルティを受けまくるのかについて、ポピュラーな日本の求人サイトの仕様について解説しました。
以下は当日のスライドです。ぜひ御覧ください。
さいごに
本当に盛りだくさんのイベントで、検索についてこんなにガッツリ解説が聞けることはとても貴重な機会でした。
次回は東京、大阪で開催されるそうなので興味のある方は公式サイトでご確認ください。